本日の1枚 It's A Musical

 It's A Musical / For Years And Years (CD)

For Years And Years

For Years And Years

 
 ドイツのエレクトロ・ポップな男女デュオのセカンド・アルバム。2008年のファーストと同様、MORR からのリリースです。
 ステレオラブやセント・エチエンヌへの敬愛を表しているように、まさにあの時代のそんな音であります。
 オルガンが鳴り響くラウンジーなエレクトロ・ポップで、メロディはとてもキャッチー、シンセの音色もメランコリックでと、あぁ懐かしい音であること。
 全体に漂う、へなちょこな感性もまた好し。
 
 冒頭のタイトル曲『For Years And Years』から、ステレオラブ・チルドレン節が全開、という感じで。サビのメロディがどこかで聴いた気がして、必死で記憶を辿ったら、あぁこれはキュアーの『In Between Days』だな。
 続く『As Soon As I』もキュート&メランコリックな曲で、間の抜けたラウンジ感がとても心地良い。
 他の曲もだいたい同様の感触ですが、時折エレクトロ・シューゲイザー的な音であったり、ピコピコしていたり、なかなか楽しめるアルバムであります。
 
 僕のお気に入りは、ちょいと儚い男女ヴォーカルが素敵な『The Team That Never Wins』。あんまり派手さのない曲ですが、穏やかな空気感に惹かれます。
 あとは、エキゾチックなアレンジの『Fish Song』。シンプルにトライバルなリズムがクセになりそう。
 日本盤ボートラの『The Nap (宮内優里remix)』も好し。グリッチノイズなんかを配した、キュートにエレクトロニカ・ポップなリミックスであります。
 
 
 The Team That Never Wins