本日読んだ3冊

 「バナナ剥きには最適の日々」

バナナ剥きには最適の日々

バナナ剥きには最適の日々

 帯の「どちらかというとわかりやすい最新作品集」という言葉を疑う短編集。意味がわかりやすいのではなく、著者の魅力の何たるかがわかりやすいといえばわかりやすい。
 特に宇宙を漂う人工知能を描いたタイトル作が秀逸。他者の認識を消去される淋しさは、自意識の消失を伴う無常観に帰結するのであろうか。
 お気に入りは、言葉遊び的な魅力を最も堪能できる『equal』。「音と音の間の無音は、ただの無音と違うのでした。」
 
 「板尾創路ピエール瀧の考える文化 ハチ公はなぜ剥製にされたのか?」 タイトルのとおり、目の前に日常として存在する「文化」を再検討する企画。といっても深夜のバカ話のような放談は、その切り口も含めてとにかく面白いのよ。
 そして、自分の自慰行為での射精ポーズからエロメディアの歴史を考察するピエール瀧の優れた視点に感服した。
 
 「ラノベ部
ラノベ部 (MF文庫J)

ラノベ部 (MF文庫J)