ここ数日で読んだ3冊

 「虫樹音楽集」

虫樹音楽集

虫樹音楽集

 カフカとジャズを中心に据え、虚実が、いや虚虚が入り組んで語られるサックス奏者の「変身」。
 語り手も時間軸も目まぐるしく変わり展開は、まぁインプロビゼーション的であろうか。
 脳に寄生虫を飼う未来の小話にグッときた。
 
 「前田敦子はキリストを超えた
前田敦子はキリストを超えた: 〈宗教〉としてのAKB48 (ちくま新書)

前田敦子はキリストを超えた: 〈宗教〉としてのAKB48 (ちくま新書)

 AKB48のシステムが宗教として機能している側面を分析。
 内容はタイトルほど刺激的なものではないが、無理からに吉本隆明のマチウ書試論を引いたり、いちいち面白い。
 後半どんどん語り口が熱くなり、AKBのために本気で著したことが伝わってくるのもまた好し。
 
 「罪と監獄のロンドン」
罪と監獄のロンドン (ちくま文庫)

罪と監獄のロンドン (ちくま文庫)

 ヴィクトリア朝時代のロンドンの犯罪と監獄の実情を記したもの。
 悲惨なエピソードをちょっとユーモラスに紹介する文章が好い。図版や写真も豊富で、スポーツ新聞のゴシップ記事を眺めているような感覚で読めます。