本日の1枚 My Bloody Valentine
My Bloody Valentine / mbv (CD)
「Loveless」以来、22年ぶりにリリースされた新譜。ちなみに僕はCD+DL(MP3)の形で公式サイトから購入。2000円に日本までの送料が590円でした。
ちょうど来日公演前に発表されたこともあって、なんというか期待いっぱいで聴いたらまずはちょっと肩透かしな印象を受けました。「Loveless」の延長線上にある耽美な轟音は、確かにマイブラっぽいんだけど、何と言うかマイブラ・フォロワーの盤を聴いてるよな感じで。
しかし、何度も大音量で聴いてるうちに、やっぱマイブラなんだと確信に至る。何言ってるんだか自分でも分かんないですけど。
ちなみにライヴはこの新譜ではなく過去作、しかもシングル中心の選曲でオールド・ファンもみんな大喜びという感じでした。
轟音なフィードバックノイズの渦は期待どおりでしたが(僕はYMMRで耳が逝きました)、それよかヴォーカルのビリンダ嬢のキュートな佇まいにキュンときました。
「嬢」などと書いたけど、もう50歳くらいのはず。しかし、歌声はもちろん、伏し目がちに控えめにつっ立って、時折はにかむように微笑みを浮かべる、その可憐な姿がとってもキュートでした。
で、このアルバムでも、やはり僕は音以上にビリンダの歌声が気になります。なので、お気に入りは『only tomorrow』と『if i am』。
両曲とも儚げ&物憂げなヴォーカルがたまりませんが、前者は轟音の波に漂う歌声が、後者は音も同時にフニャフニャと溶けそうに甘美であります。
甘美さでは、とりあえず轟音ギターがじわーんと響き渡る、冒頭の『she found now』には「Loveless」ファンも納得でしょう。
ゆったりと轟音にたゆたう『who sees you』、オルガンもどんよりと美しく響く『is this and yes』とかもそんな感じ。
しかし、轟音ギターが聴けないエレクトロ・シューゲイザー的な『new you』と、なぜかドラムンな『in another way』は、正直なところやっぱちょっと微妙な感じであります。
耳を破壊された記憶も蘇るインスト『nothing is』や、ドラムンでも歪みの強烈なラストの『wonder 2』は好いんだけど。
only tomorrow
if i am
she found now
wonder 2