ここ数日で読んだ5冊

 「ヘンたて 2」

ヘンたて 2: サンタクロースは煙突を使わない (ハヤカワ文庫JA)

ヘンたて 2: サンタクロースは煙突を使わない (ハヤカワ文庫JA)

 ヘンな建物を研究する大学のサークルが遭遇するミステリ短編集の2作目。
 確かに今作も舞台はヘンな建物なんだけど、そっちはあくまでも舞台演出に留まってる感があり。無理矢理というか、あんまり意味ないというか。
 学生時代のバカらしさが懐かしく蘇る、青春小説としては悪くないけど。
 
 「評価と贈与の経済学」
評価と贈与の経済学 (徳間ポケット)

評価と贈与の経済学 (徳間ポケット)

 内田樹岡田斗司夫の対談。例えば「イワシ化する社会」のように岡田氏の表現の巧さが目立つ。そして、じりじりと詰め寄る岡田氏をいなしきれない内田氏、という構図が面白い。テンポもいいし。
 「贈与」に関する内田氏の論はいつものとおりだが、相反すると思いきや同じ方向に岡田氏が向かってしまう会話の流れも興味深い。
 
 「世にも奇妙な人体実験の歴史」
世にも奇妙な人体実験の歴史

世にも奇妙な人体実験の歴史

 性病、コレラから麻酔薬、放射能、深海への潜水など、自らの身体を犠牲に研究を重ねる科学者のバカすぎる探求欲につい笑ってしまう。死んだりしてるけど。
 マッド・サイエンティスト、という語がつい頭に浮かぶ。
 淡々と事実を記述しているようで、穏やかなユーモアに満ちた文章のセンスが素敵でした。
 
 「解錠師」
解錠師 (ハヤカワ・ミステリ文庫)

解錠師 (ハヤカワ・ミステリ文庫)

 言葉を失った少年には鍵を開ける天才的な能力が、という設定の犯罪小説。様々な伏線が結実するラストはミステリとしても素晴らしいし、何より、青春小説としても逸品でありました。
 語る言葉が無くとも主人公の描写はイキイキ、いやヒリヒリとしていて、時折顔を出す甘酸っぱさが余計に胸キュンであります。
 
 「入門!論理学」
入門!論理学 (中公新書)

入門!論理学 (中公新書)

 職場の新人研修で論理学を教えようと入門書を物色中。記号をあまり使わずに平易な文章での説明は読み物としては好いんだけど、テキストにはしにくいわな。