本日の1枚 矢野顕子

 矢野顕子 / 矢野顕子忌野清志郎を歌う (CD)

矢野顕子、忌野清志郎を歌う

矢野顕子、忌野清志郎を歌う

 
 タイトルどおり、全曲清志郎なカヴァー・アルバム。そりゃ矢野顕子清志郎なら悪いわけないだろうと、些か反則気味な企画盤である。
 ピアノの弾き語りだろうと聴き始めたら、1曲目の『500マイル』でビックリ。確かにピアノ主体ではあるものの、エレクトロニカ感性の実験的なアレンジ。これは意外で、いきなりガツンとやられた感があり。
 
 2曲目以降はシンプルにピアノ主体な曲が続きますが、どの曲もまるで原曲を無視したかのような歌にまたビックリ。
 例えば『デイ・ドリーム・ビリーバー』なんて、有名曲なのにたぶん歌詞を聴かないとカヴァーだとわかんないんじゃない、てくらいにメロディすら矢野顕子節。
 しかし、何回か繰り返して聴いてるうちに、やっぱり清志郎の曲だなぁ、いいなぁと実感してくる。思い切り矢野顕子なのに、同時に清志郎が現れてくる。なんと素敵なカヴァー・センスでありましょう。
 
 お気に入りは、冒頭の『500マイル』と、ふにゃふにゃと浮遊するよなアレンジの『多摩蘭坂』。
 あとはまぁやっぱり、2人で歌った『ひとつだけ』は名曲ですねぇ。
 
 
 ひとつだけ