第18回セレクト合戦 勝手にレビュー Finylさん編

 数年前に「喫茶ロック」てものが流行った(?)とき、なんだかその取ってつけたようなネーミングが気に入らなくて、あえて無視することにしていたんです。
 たまたま今日、子供の絵本を借りに図書館に行ったら、喫茶ロックのガイド本があったので借りてきました。
 

喫茶ロック

喫茶ロック

 
 読んでみて愕然としたのは、行間から伝わってくるジェントルな空気感。
 そして、紹介されている音楽も素敵だし、何より非常に好感、共感がもてる文章が素敵でした。
 あぁ、「喫茶ロック」に乗っとけばよかった、と残念な気分。
 今から集めようと思っても、こんなジャンルの再発盤なんてすぐに廃盤になっちゃうんですよね・・・。
 
 さて、本日はFinylさんのセレクト感想です。
 今回のテーマは「身も心もあたたまるセレクト」。自分のも含め、寒い中でじんわり温まるような選曲をしている方が多いようなのですが、フィニルさんのは直接的にホットな楽曲が中心でした。
 夏の終わりな雰囲気ですね。
 ガール・ポップから和モノまで、バラエティの豊かさとバランス感の確かさは、フィニルさんらしいセレクトのように思います。
 
 収録されている曲目は、
 01. Should I Cry / Jackie De Shannon
 02. Fanny / Chris Stills
 03. Joe / Dale Hawkins
 04. I Wish You Well / Radiator
 05. モーニング・フライト / 杏里
 06. Living Game / Mick Greenwood
 07. Lips Are Unhappy / Lucky Soul
 08. My Feet Are So Weary / B.W. Stevenson
 09. Down By The Ocean / George & Sonny Sons
 10. いつか・どこか・むかし / 竹千代
 11. Don't Break My Heart Again / Kate Walsh
 12. Concerto In D (2nd Movement) / Steve Howe
 
 曲目ごとの感想です。
 (01) は、ホットなガール・ポップでスタート。サビのピアノと鐘の音がホットで素敵。それにしても、Finylさん解説で紹介されてるライノのボックスが欲しい!(ちょっと高い・・・)
 (02) は、なんとなくフレンチなイメージとかけ離れているので何語なのか分かりませんでしたが、ザ・バンド『Weight』をフランス語でカヴァーしたもの。何語でも熱いロックは熱い。
 (03) は、キラキラしたギターの音色に熱いスライドが絡んでくる冒頭の5秒ほどが最高にカッコ良い。そのスライドはライ・クーダーですって。
 (04) は、爽やかメロウな楽曲にこれまた熱いギターが絡みますね。グルーヴィなベースがとても好みです。
 (05) は、AORな曲調がサビで普通に歌謡曲に変移するところとか、なんかとても懐かしい気分に。
 (06) は、曲の始まりがそのまんまエルトン・ジョンなんですが、こっちが先なんですって。
 (07) は、女性ヴォーカルがキュートでいいですねー。60年代風の味付けもとってもラヴリー。ゴージャスさを目指してるようでチープな感じが漂ってるところも好みです。
 (08) は、うって変わってフォーク・カントリーな曲に。ハーモニカの音色にじんわりと身体が温まります。
 (09) は、擬似スペクター・サウンドですって。こりゃ参りました。ゴージャスなラウンジ感覚は偽物っぽいか、いやスペクター・サウンドもこんなのだ。実はこれが一番のお気に入りかも。
 (10) は、喫茶ロックのコンピから。上記のとおり、本日、喫茶ロックに目覚めました(笑)。穏やかながらちょっぴりサイケなテイストも素敵です。
 (11) は、英国の女性SSW。気になってたけど、未聴だった人です。シンプルで穏やかな演奏と歌声に、都会的な孤独感が光ります。後半のサビに男性コーラスが重なるとこにゾクッときました。これはアルバムを聴いてみたい。
 (12) は、クラシックの素養が無いのでこれがヴィヴァルディーだとも分かりませんでしたが、さらにギターを弾いているのがスティーヴ・ハウだとは想像もできませんでした。
 
 ちなみに手持ちは無し、特にお気に入りは(11)です。
 
Tim's House

Tim's House

 ポチッといってしまいそう。
 
 ↓Finylさん本人の解説はこちら
 http://d.hatena.ne.jp/Finyl/20080120