第18回セレクト合戦 勝手にレビュー ショック太郎さん編

 20年前、僕は大学生でした。入学して約1年が過ぎたところ。
 音楽サークルに入ったおかげで音楽好きな友人に囲まれていたのですが、その中に無類のエアチェック狂な男がいたんです。
 家に遊びに行くと、常に数台のテープデッキとビデオデッキが回り続けていました。まさにエアチェック職人。
 なんとなく友人間で役割分担的なものがあって、エアチェックはすっかり彼に任せてしまっていた感があります。
 エアチェックと聞くと、自分がラジオで聴いたものよりも、彼が編集したテープをみんなで聴いていたことを思い出します。
 
 さて、本日はショック太郎さんのセレクト感想です。
 題して「マイ・クロスオーバーイレブン NHK-FM 1988」。
 そう、20年前に聴いたあのエアチェック・テープが脳裏に蘇るような、本当に素敵な企画でした。
 なんというか、あの頃の時代の空気感のようなものも再現されていて、自分が今いつのどこにいるのか分からなくなるような既視感を覚えました。
 
 話は変わりますが、僕はテクノ・ポップとかが好きな割には、結構シンセの音色に苦手なものが多いんです。
 ここまでの音は好き、ここからは嫌いというような境界線が自分の中にはあって、さらにその境界線ギリギリで好きな側にあるシンセの音色が大好きだったりします。
 何を言ってるのか分からなくなってきましたが、要するに、今回ショックさんが選曲されたブラコン、AOR系の楽曲から、そのギリギリで大好きなシンセの音色が聴こえてくるのです。
 
 これまでのセレクトやブログで紹介されている音楽からは想像もできない選曲にビックリしましたが、自分のメロウ面での嗜好の原点を思い出すことができました。
 手持ちはほとんど無いのに、どこかで聴いたことがあると思う曲が多いのは、これまた既視感のせいか、それともエアチェックしていたのかを思い出すことはできません。
 
 収録されている曲目は、
 01. Opening Theme
 02. My One Temptation / Mica Paris
 03. My Baby / David Pack
 04. Woman / Dane Donohue
 05. Narration
 06. Reminiscing / Little River Band
 07. Baby Be Mine / Michael Jackson
 08. It's Something / Brenda Russell
 09. Narration
 10. Crazy You / Prince
 11. Can't Go Through With Life / Marie Pierre
 12. Narration
 13. Voce e Linda / Caetano Veloso
 14. O Homem Entre O Mar e a Terra / Dori Caymmi
 15. Narration
 16. Ida upino / Paul Bley Trio
 17. As Time Goes By / Mat Mathews
 18. Ending Theme
 
 曲目ごとの感想です。
 (01) は、まずはあのオープニングで。クワイエットなキラキラさが素敵ですねー。
 (02) は、曲はUKメロウ・ディスコでスタート。このへんがまさにギリギリで大好きなシンセの音なんです。
 (03) は、続いて爽やかなAOR系ダンサー。これまたギリギリで大好きな音で。
 (04) は、いかにも洗練されたAOR、て感じに押されまくり。いいですねー、これ。女性コーラスが重なる部分のさりげなく凝ったアレンジとかも素敵。
 (06) は、適度な軽やかさとメロウさ、じんわりとくるグルーヴ感が素晴らしいですね。これはエアチェックしたものを愛聴してました。
 (07) は、イントロで何だったっけ?と頭をひねりましたが、歌声が聴こえてあらら。こうして聴くと、いい感じにメロウ・ディスコですね。
 (08) は、うわー、こんな曲まで(笑)。久々に聴きましたが、やっぱ名曲です。
 (10) は、シンプルな構成ながらどことなくゴージャス感が漂います。実は僕、プリンスの熱烈なファンだったんですよ。
 (11) は、Ariwa系の洒落たラヴァーズ。都会的なフィーリングがいいですね。
 (13) は、ここでカエターノ! 穏やかなメロウさがなんとも心地良い曲ですね。こんなシンセの音色にもカエターノの歌声は映えますね。
 (14) は、ブラジリアン・ラウンジなインスト。ドリーミーな起伏にうっとり聴き入りました。
 (16) は、終了近くにピアノ・ジャズ。こんなとこまで番組を再現!
 (17) は、幸せなような切ないような、懐かしい気分を盛り上げるアコーディオンの音色。なんとも素敵なラスト曲でした。
 
 ちなみに手持ちは(07)(10)、特にお気に入りは(04)です。
 

デイン・ドナヒュー(紙ジャケット仕様)

デイン・ドナヒュー(紙ジャケット仕様)

 
 ↓ショック太郎さん本人の解説はこちら
 http://mondoshock.hp.infoseek.co.jp/selectcd11.html