本日の1枚

 昨日は七夕でした。
 
 
 先日、娘(3歳)が「五色のざーんざくー」と歌っていたので、「ザンザクではなく短冊である」と注意したところ、「園ではみんなザンザクと歌っている」と大いに逆切れされる。
 で、昨日、「短冊やった・・・」と謝罪されました。
 園のイベントで歌っているときに、「ハッ」と気付いたのであろう。
 
 さて、本日の1枚。七夕には全く関係ないですけど。
 
 Trees / On The Shore (CD)

On the Shore

On the Shore

 英国フォーク・グループのセカンド・アルバム。1970年のリリース。
 数年前までフォークには全く興味がなかったんですけど、でも、このジャケには強烈に見覚えがありました。同じようにジャケだけ知ってる、という人も多いのではないでしょうか。
 ジャケを手掛けたのは勿論ヒプノシス。芝生で少女が水をまいてるだけなのに、言いようもない恐怖感を覚える不気味さが凄い。
 
 内容のほうは、英国トラッドを基調としながら、エレクトリックな楽器も使用し、何よりリズムがロックしています。
 変調していきながらすっごく長く続く曲があったりして、プログレ・ファンからも高評価を得ているようですが、やはり基本はトラッド。ちょっぴりプログレッシヴな感性でトラッドを解釈、という感じでしょうか。
 のどかな田園風景が時折ぐにゃりと歪むような、仄かな恐怖感や狂気を感じるんです。そのへん、ジャケどおりの印象ですね。
 そして、女性ヴォーカル、セリア・ハンフリーズの美しい歌声がまた素敵。こちらは思いきりトラッドな歌い方をしています。ややトラッドからはみ出した演奏であるが故に、余計に神秘的に聴こえるように思えます。
 
 オープニングの『Soldiers Three』はトラッド曲ですが、エレクトリックな味付けが加えるサイケ感と普通にトラッドなコーラスの相性が好し。
 続く『Murdoch』は、静謐なフォーク、と思いきやヘヴィめなギターが鳴り響いたり。
 『Streets Of Derry』やラスト『Polly On The Shore』は、アーシーな重いリズムが刻む陰影がカッコいい。80'sオルタナティヴなバンドを思い浮かばせます。
 ま、やっぱ『Sally Free And Easy』が印象深いですね。プログレッシヴに展開していくトラディショナルな楽曲。結構くにゃくにゃ変調していくんだけど、あんまり気にならない聴き易さもまた好し。どこか不気味な美しさが輝いてますね。特に歌声が。
 エレクトリック・トラッドな『Fool』や『Geordie』などもまぁ好いのですけど、生音で幻想的な味わいを醸し出す『While The Iron Is Hot』なんかがお気に入りです。