本日の1枚

 細野晴臣 / 細野晴臣アーカイヴス Vol.1 (CD)

細野晴臣 アーカイヴス vol.1

細野晴臣 アーカイヴス vol.1

 
 細野晴臣主宰のレーベル、daisyworldが再始動。
 まずは、細野晴臣のレア音源を本人監修で紹介する「細野晴臣アーカイヴス」シリーズの第1弾がリリースされました。
 古いもので1987年の作品から最近のモノまで、年代に隔たりがある曲が収録されており、また、曲調もいろいろなんですけど、「寄せ集め」感がしないよう配慮されているようです。
 1つの作品としてアルバムが聴けるよう、曲自体よりもトータルとしての完成度の高さを非常に感じます。レア音源集としてではなく、新作として聴いてもいいくらい。
 とはいえ、やっぱファン以外にはちょっと薦めがたいところはありますね。アンビエント期のフィーリングを強く感じますので。
 でも個人的にはとても思い入れを持てる音なんで、やっぱファンにはお薦めですね。
 
 まずは那覇市イベント公演「万国津梁」(2002年)から2曲。『龍宮神典』は、呪術的な低音ヴォーカルの響きがたまりません。何かの儀式に立ち会ってるかのよう。『虹の道』は、風の音にメランコリックなシンセの音色など、なんだか喜多郎みたい。
 続いてNHK番組「ウォーカーズ」(2006年)から3曲。大陸的な長閑さを感じるちょいと癒しな音楽。
 さらにNHK番組「美と出会う」(2001年)から2曲。パリの街角、て雰囲気の洒落たフレンチなポップさ。
 次は「安珠写真展 "サーカスの少年"」(1990年)から4曲。深い森の奥で何かの生き物が蠢いているようなアンビエントさを感じます。4曲の中では、フレンチ・ポップに目覚めたアーサー・ライマン、て感じの『サーカス』がお気に入りです。
 続いて、フジTVが子供向けに主宰した「夢工場」(1987年)からの1曲。おもちゃ箱的な音。クルクルと回転するようなカラフルさがキュート。
 次に、「ウェブ小説 "Jane Doe"」(2000年)から1曲。太平洋の島々を経由してきたアフリカン・リズム。
 その次の『トーキング・ドッグ』(1996年)は、「無目的に遊んでいたもの」だとか。静かな凶暴さが、結構好きなタイプです。
 ラストは「タイタニック引上げ品展」(1998年)から2曲。最後にまた素敵な歌声を披露。書くまでもない有名な逸話ですが、細野氏の祖父はタイタニック号の生き残りなんですね。
 
 本人による全曲解説も嬉しいところです。
 
   ← タワレコで試聴できます。