本日の1枚 Erica-Chiquinho
Erica-Chiquinho / Et Len Show-Rio Brazil 77 (CD)
ブラジル出身、スペインでブラジルなアルバムをリリースしていた歌手のエリカ・ノリマール。
同じくブラジルの出身で、パリに渡ってフレンチ・ブラジリアンなバンド Os Maracatu ギタリストとして活躍していたシキーニョ。
この2人の出会いから産まれたのがこのアルバムです。
ハッピーなサンバ・ポップな楽曲が中心なんですが、フランス産のブラジリアンらしい洗練されたジャジーさに包まれることで、穏やかな暖かさと小洒落た雰囲気が見事に調和しているようです。
暖かい日差しの下、カフェのテラスで耳にしたい音楽です。
オープニングの『Dodo』は、穏やかな男女ヴォーカルの掛け合いが耳に心地良いボッサ。ピアノの洒落た音色も心地良く、このアルバムを象徴づけるスタートです。
続く『Chatanooga Choo Choo』は、あの曲をカントリー調のアレンジに。ファニーな早口ヴォーカルとスキャットがとても素敵です。
『Kid Cavaquinho』は、高速のハッピー・サンバ。超早口なヴォーカルなんですが、でもなんか穏やか&メロウに聴こえるのが凄い。
A面ラストの『De Frente Pro Crime』は、エレピも歌声も柔らかメロウ。ファンキーなリズムも優しく響きます。
裏返してB面もハッピーなサンバ・チューン『A Filha Da Chiquita Bacana』でスタート。
『Forro』は、アコーディオンの味付けがパリの街角風。
しっとりしたボッサやインスト曲を挟み、このアルバムの目玉曲『Nega De Obaluae』。跳ねるチャカポコなリズムも軽やかなハッピーなサンバ・アレンジも心地良いし、張りのあるメロウな女性ヴォーカルとジェントルな男性コーラスがミニマルに繰り返すメロディが心地良くアーシー。優しいグルーヴィさも最高です。
ラストの『Hein』は、アコギの刻みが軽快に跳ね、それにあわせた歌声の語尾のキレもまたカッコよし。