本日の1枚 PSAPP

 PSAPP / The Camel's Back (CD)

ザ・キャメルズ・バック

ザ・キャメルズ・バック

 
 ロンドンのトイ・エレクトロニカ・ポップなデュオ、3枚目のアルバムです。
 これまではとてもラブリーなキュート・エレクトロニカという印象があったのですが、この新作では哀愁の溢れるトイ・エレクトロニカという趣に変わっています。
 80's風のニュー・ウェーヴな感触。それもフレンチな。
 
 カラフルなキュートさが失われてしまったことは残念ですが、トイ楽器などを活かしたコミカルさなんかは前作以上で、これはこれで面白い方向かもしれません。
 気負いのない女性ヴォーカルも魅力的ですし。
 メランコリックなメロディとドリーミーなアレンジ、ちょいと実験的な仕掛けなんかもまぁいい感じです。
 
 と褒めてみましたが、やっぱり前作までのラヴリーさが恋しい!
 
 まずは1曲目の『I Want That』で、アレって思っちゃいました。安っぽいガレージ・ロックな曲調で、思わず違うヤツかけたのかとCDを取り出してしまいました。
 『Part Like Waves』や『Fickle Ghost』とかは、なんというかトイ・ポップなステレオラブというような音で、佳曲なんだけど新鮮さがあまり感じられませんな。
 『The Monster Song』は、懐かしげなメロディとキュートな音作りが好し。
 『Somewhere There Is A Record Of Our Actions』は、フレンチ・ニューウェーヴな楽曲。とけてしまいそうなドリーミーさが心地良く響きます。
 『Marshrat』は、トイ楽器で奏でるリズムがとてもラブリーですが、曲はなんだか哀しげでメランコリック。
 『Homicide』は、グリッチ音をコミカルに使ったトイ・エレクトロニカが、古いジャズ風に変化していくアレンジが素敵。
 
 
 PSAPP / The Monster Song