本日の1枚 The Art Of Lovin'

 The Art Of Lovin' / The Art Of Lovin' (CD)

ジ・アート・オブ・ラヴィン(紙ジャケット仕様)

ジ・アート・オブ・ラヴィン(紙ジャケット仕様)

 
 マサチューセッツのサイケ・ポップなグループ。1968年リリースの唯一のアルバム。
 「サイケデリック・ジャーニー」シリーズからの再発です。
 ジェファーソン・エアプレイン系のサイケさとママス&パパス系の美しいハーモニーを備えたバンド、と再発CDの帯に書かれてるんですけど、過大広告ではありませんでしたよ。
 とりわけジェファーソン・エアプレインの影響が色濃いですね。特に、女性ヴォーカルのゲイル・ウィニックはグレース・スリックを意識させます。
 
 さて、解説文によるとこのバンド、5人のメンバーは全員高校生ですって。部活的に自分たちが楽しむためだけに結成し、大学への進学が決まるとさっさと解散してしまったんだとか。
 ところが、単なる高校生バンドとは到底思えないクオリティの高い楽曲が並んでるんです。
 メロディ運びには抜群の才能を感じますし、前述の女性ヴォーカルも高校生とは信じられない力強さと艶っぽさを感じます。
 誰もその道に進まなかったとは、なんて勿体ない!
 
 オープニングの『Paul's Circus』は、イントロの場末のサーカスなオルガンに参りました。随所に挟まれるいかがわしいオルガンがタイトルどおりサーカスなポップさ。
 ジェファーソン・エアプレイン的なサイケさでは、トリッピーなベースのリズムが素敵な『You've Got The Power』や、軽やかにカラフルなサイケ感と爽やかなハーモニーが素敵な『Good Times』、オルガンの辿るメロディがクセになる『You'll Walk Away』なんかがお気に入り。
 ママス&パパス的な美しいハーモニーでは、ジェントルだが力強い歌声がリズムとともに弾む『The First Time』、荘厳なハーモニーを聴かせる『And I Have Seen Them All』なんかがお気に入り。
 一番のお気に入りは、万華鏡のカラフルさ穏やかに回転していくサイケ・ポップ『Daily Prayer』でした。
 
 
 The Art Of Lovin' / Paul's Circus
 
 
 The Art Of Lovin' / The First Time