本日の1本 悪魔の毒々おばあちゃん

 悪魔の毒々おばあちゃん

悪魔の毒々おばあちゃん [DVD]

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 大富豪の老姉妹が開く誕生日パーティーには、遺産を狙う親類たちが大勢集まっていた。そこに親類から勘当された者からのプレゼントが届いたが、その箱を開けた途端、老姉妹は悪魔に変身し、親類たちを惨殺し始める、、、というストーリーです。
 
 トロマ社が配給しているので、タイトルはまぁアレなんですけど、中身はなんとベルギー産のスプラッタ・ホラーです。もちろん、毒々シリーズとは無関係な作品。
 GAGAデータベースでは「コメディ・ホラー」と紹介されていますが、なんのなんの、立派に怖いスラッシャー・ホラーしてますよ。
 
 前半は大きく時間を割いて、親類たちの性格のいやらしさ、下品さ、バカっぷりなんかを綴っています。このへんは割りと退屈ではあるものの、後半の怒涛の展開で「殺して喰っちまえ!」て老姉妹を応援してしまうイケイケ感を盛り立てるのに貢献しています。
 そしてその後半。悪魔化した老姉妹は、黒く伸びた爪などを駆使し、親類たちを次々と惨殺し、喰ったりします。悪魔というよりも、ゾンビな感じですね。
 
 「コメディ・ホラー」と評されてるのは、おそらくちょっと間抜けな変身後の風貌にあるのでしょう。確かに特撮的にはオマヌケ感を否めませんが、でもそれを補って余りある気色悪さも。
 さらに、変身後の老姉妹の珍妙な笑い声。「うひゃひゃー」とヘラヘラ笑いながら、殺戮を繰り返していくのです。これもまたオマヌケ感は否めませんが、それを補って余りある・・・。
 
 「歌を上手に歌えたら逃がしてあげる」シーンだとか、銃で撃たれたら屋敷の甲冑を装備して対抗したりする展開とかは、コメディっぽいですけどね。でも、そんな製作者が意図してない「面白さ」こそが、このテのC級ホラーの醍醐味だと思います。日本のコメディ・ホラーにありがちな、狙った面白さなんて全然笑えないでしょ。
 
 平気で子供を惨殺したり、グロいシーンも満載で文句なし。米国ホラーとは違い、ヨーロッパらしい(?)陰鬱な雰囲気もいい感じですし、タイトルからは想像もできない、なかなか見所いっぱいの作品でした。