本日の1本 カンフー・パンダ

 カンフー・パンダ

 
 伝説に伝わるカンフーの達人、龍の戦士を探す武術大会で選ばれたのは、見物に来ていたデブのぐうたらパンダだった。同じ頃、龍の奥義を伝える巻物を狙い、極悪カンフー・ファイターが刑務所を脱獄し、、、というストーリーです。
 
 ドリームワークスが手がけるメイン・ストリームなアニメ作品。声優陣にはアンジェリーナ・ジョリージャッキー・チェンなどを起用し、映像も含めゴージャスな作品です。
 なんとなく期待して観たんですが、正直、イマイチ感が残っております。
 
 ストーリー展開はオーソドックスなカンフー映画のそれを踏襲してはいるものの、なんかこう、カンフーをなめてる印象を拭えないんですよ。
 アジア市場をターゲットにするから主人公はパンダでカンフーにしときゃいいだろ、てな感じでしょうか。
 
 亀仙人みたいな老師とか、虎、蛇、猿、鶴、カマキリのマスター・ファイブとか、結構カンフー好きなら惹かれそうな設定なのに、あともう1歩で壁を作ってしまってる感じ。
 
 イマイチな理由の1つは、あまり感情移入できないストーリーの流れ。本来ならば、以下のようにあるべきなんですよ。
 【ダメ男→大きな挫折→カンフーの修行→心身ともに成長→敵に打ち勝つ】
 ところがこの映画だと、こうなってます。
 【ダメ男→ちょっとカンフーを修行→大きな挫折→巻物でいきなり成長→敵に打ち勝つ】
 挫折と修行が逆。無茶な修行を必死にこなして強くなる、てのがこのタイプのカンフー映画に欠かせない要素だと思うんですけど。実はズレてるんですよね。
 
 それから、きれいすぎる映像がどうもダメ。アニメなんだから荒唐無稽な動きができて当然なんだけど、それをあまりにも滑らかに見せられると引いちゃうんですよ。
 あとはまぁ、パンダが全然かわいくないしね。だいたい、何でパンダの父親が鳥なの?
 
 子供のために借りたんですが、やっぱ観せるのはヤメ。子供にはきっちりした王道カンフー映画からスタートさせよう。「蛇拳」とかね。