本日の1本 荒野のルチャ・ライダース

 荒野のルチャ・ライダース 地底王国を撃破せよ

ミル・マスカラス/ビバ!ルチャシネマ×2 [DVD]

ミル・マスカラス/ビバ!ルチャシネマ×2 [DVD]

 
 メキシコを訪問中の宝石王が謎のネズミ人間たちに誘拐された。召集されたルチャ正義の戦士たちは宝石王の行方を追うが、その間にも有名人が次々と誘拐されていく。事件の裏には世界征服を企むマヤ一族の末裔、地底王国の陰謀が、、、というストーリーです。
 
 『幻の美女とチャンピオン』に続く、ミル・マスカラス出演のルチャ・シネマ。前作同様、あんまり意味のないストーリー展開についていくのが精一杯の素敵な作品です。
 まずは冒頭のバイクでの疾走シーンに胸キュン。タイトルどおり荒野を駆けまわってるのですが、道なき道を走るため、危ないからとてもゆっくりと走っています。何度も足を地面についたり。おっと、「疾走」じゃなかったですね。
 
 
 続いて、宝石王が誘拐されます。ホテルの部屋で宝石王がくつろいでいると、電気が消えて「チュー、チュー」ってネズミの鳴き声が・・・。現れたのは、パジャマみたいなネズミの着ぐるみを纏い、顔にヒゲをつけたネズミ人間たち。もちろん(?)ネズミ人間を演ずるのは小人症の人たちです。
 
 その後はもうずっとダラダラと話が進んでいきます。非常に不効率な方法で正義の戦士たちを襲う悪の手先と、不効率な追いかけっこを繰り返す正義の戦士たち。そんな正義の戦士たちは、途中で偉い人(何の組織?)に「何をしているんだね」などと仕事の遅さを怒られたりしてます。
 
 そしていよいよクライマックス。敵を追ってきた戦士たちは、逆に敵の本拠地国に転送されてしまいます。そこは、世界征服を企むマヤ一族の末裔、謎の女王が支配する地底王国。
 女王は「分子変換装置」でネズミを改造、ネズミ人間を造り出していたのでした。ちなみに、この改造シーンが作品中では最も素敵なところ。
 
  
 なんか間抜けな戦士たちと、製造されたばかりのネズミ人間
 
 戦士たちが人体実験されようとしたそのとき、マスカラスが爆弾をタイツの中から取り出してボカーン! 画面は真っ暗になり、ドカ! ボコ! と殴り合いの音だけが聞こえてきます。
 するとすぐに画面が切り替わり、正義戦士の本部が悪の軍団に襲われてます。危うし、と思ったらなぜか地底王国にいるはずの戦士たちが現れ、悪の軍団を窓から放り投げて殺害。
 するとまたすぐに画面が切り替わり、誘拐されていた宝石王たちがワイングラスを片手に、「正義の戦士に乾杯」。で、唐突にエンディング。
 
 ・・・。地底王国はどうなったの? 女王はどうなったの?
 延々とどうでもいいストーリー展開の挙句に、肝心の悪の親玉での戦いは一瞬で中途半端に終了。しかも、どうなったのかさっぱり分からない。
 なんとも強烈な脚本ではないか。ルチャ・シネマ恐るべし、である。