本日の1本 プレスリー VS ミイラ男
プレスリー VS ミイラ男
- 出版社/メーカー: クロックワークス
- 発売日: 2007/05/25
- メディア: DVD
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エルヴィス・プレスリーは生きていた! 自分のそっくりさんと入れ替わってた彼は、怪我を負い老人ホームで余生を送っていたのだ。ところが、その老人ホームで謎の突然死が頻発する。なんとミイラ展のミイラが蘇り、老人ホームの入所者を襲っていたのだ。真相に気付いたプレスリーはミイラとの闘いを開始する、、、というストーリーです。
・・・。なんと酷い物語設定であろうか。
当然ながらC級ホラーと思って観たんですが、意外や意外、なんとも面白い映画で驚きました。
随所に小粋なユーモアを散りばめながらも、しっかりと芯の通ったストーリー。そして老人の描き方が素晴らしい。ユーモアとリスペクトを込めてボケた老人の悲哀を描いています。
登場人物の年寄りたちがね、馬鹿らしいけど愛らしいんですよ。
主人公以上に魅力的なのが、自分はケネディ元大統領と言い張って譲らない老人。でもこの人、黒人なんですけど・・・。悪人の罠にはまり皮膚を着色されたんですって。
初めはケネディさんを斜めから見ていたプレスリーだが、ストーリーが進むにつれ彼を認めていく。ラストではミイラとの戦いで命を落とした彼に、「Mr.President」と呼びかけるんですよ。こういう心理の描き方も実に上手い。
そしてそのラスト、超人的(当たり前か)な力を持つミイラに、プレスリーとケネディは車椅子で立ち向かっていく。
ボケ老人となった自分自身への尊厳を守るため、2人ともミイラを倒すために自分の命を捨てることを厭わずに闘うのです。
なんともバカバカしい絵の場面ですが、同時に非常に感動的でもありました。
ホラーなシーンは全然ないけども、老人ドラマとしてとても感慨深い作品ですよ。