本日の1枚 Michael Spiro

 Michael Spiro / Listen To Me (CD)

リッスン・トゥ・ミー

リッスン・トゥ・ミー

 
 米国オハイオ州のSSW。1978年に自主制作でリリースした作品。
 ヴォーカルとギターにベースとドラム、とシンプルな構成を軸にして、曲によってはフルートやサックス、バンジョー、さらにはヴァイブなんかもを加えています。
 基本的にはアコギを中心にしたシンプルな楽曲が多いのですが、時代柄かちょいとAOR風なアレンジが施されたりしています。ジャケのイメージとは異なり、ポップ度も高くてとっても聴きやすい。
 ちょいと甘めでジェントルな歌声は、やや硬質なアコギの音色との相性もまた好し。
 
 オープニングの『Warm Celebration』は、アコギの音色も歌声も爽やかで温かい一曲。挿入されるフルートの音色もまた温かで。
 なぜかちょっとラテン・ムーディな『Vasha』、南部な『Make-A-Buck Blues』、洒落たジャジーな味付けの『Winter Waltz』、パーカッションも軽快な『Restless Dreams』、コーラスが心地良く響く『Patterns』など、意外に多様な音楽性をもったアルバムなのです。
 お気に入りはタイトル曲の『Listen To Me』と『Day After Day』の2曲。『Listen To Me』は、いかにも米国的なハートウォーミングなフォーキー・ポップなんですけど、メロディにふっと現れる英国フォーク的な陰影が好いのです。
 『Day After Day』は、アコギの紡ぐリズムがフォーキー・ソウル風で、挿入されるヴァイブの音色もまた素敵。なんとなくフリー・ソウルな味わいのある逸品です。