本日の1枚 Telefon Tel Aviv

 Telefon Tel Aviv / Map Of What Is Effortless (CD)

Map of What Is Effortless

Map of What Is Effortless

 
 新作ではすっかり80'sエレ・ポップへの志向を強めたテレフォン・テル・アヴィヴですが、その転機となったセカンド・アルバムです。2004年のリリース。
 ヴォーカルをフィーチャーするとともに、壮大なオーケストレーションを導入しています。もともとメランコリックな要素もありましたが、そっち方面への傾きが顕著になってます。とってもゴージャスなアレンジ。
 
 もともとメロディ・センスに優れたユニットなのですが、このアルバムで特筆すべきはリズムへのこだわりでしょうか。もちろんラップトップで組み立てられたリズムなんですけど、なぜか非常に「黒い」印象を受けるのです。
 複雑に解体・再構築されるリズムが、土着的でかつスピリチュアルな重みのあるビートを刻みます。このリズムの感覚には、デトロイト・テクノのそれと同質のものを感じます。
 
 細々とエクスペリメンタルな音が配されていても、ポップ度が高くて聴きやすいのもいいですね。エレクトロ・ソウルの名盤だと思います。
 
 どたばたと足掻きまくるリズムをメランコリックなシンセ音が優しく包み込んでしまう『When It Happens It Moves All By Itself』、細かい音の刻みを活かしたエレクトロ・ファンク『My Week Beats Your Year』なんかには、プレフューズ73以降の必然性を感じたり。
 吹き荒れるエレクトロ・サウンドの中を普通にR&Bな歌声が流れるエレクトロ・ソウルな、『I Lied』や『Nothing Is Worth Losing That』がお気に入りでした。
 
 
 When It Happens It Moves All By Itself
 
 
 Nothing Is Worth Losing That