本日の1枚 Jim Jiminee

 Jim Jiminee / Welcome To Hawaii (LP)

Welcome to Hawaii

Welcome to Hawaii

 
 ギター・ポップ名盤と名高い、1988年にリリースされたアルバム。
 僕が持ってるのは1999年に Vinyl Japan から再発された盤なんですけど、正直買ったときはあんまりいいとは思えなかったんですね。「ネオアコ名盤」て言葉から想像できる音とはかなり懸け離れていたので。
 演奏もしっかりしてるし、なんかアーバンな雰囲気もあるし、そして熱すぎる感性がギター・ポップにそぐわないような気がして。
 
 けれど、あるとき何も考えずに聴いてみたら、なぜか急にスルリと耳に馴染んでしまいました。あらゆる音楽を実験的に取り込もうとする姿勢はその意味でポール・ウェラーと同質ですが、なんかモンドな感覚がいっぱいですね。そう言えば、相対性理論(「ハイファイ新書」)を初めて聴いたとき、真っ先に頭に浮かんだのはこのアルバムでした。
 ジャケにはビーチに暑苦しいスーツで佇むメンバーが写っておりますが、まさにそんなイメージどおりの楽曲は、ヘンテコな違和感がまたとっても面白いし。
 
 まずオープニングは名曲と名高い『Town And Country Blues』。2トーン系の高速リズムにギターとホーンが駆け抜ける疾走感もいいですが、妙に熱い歌声がまた微笑ましい。
 サマーブリージンなネオアコ曲『Snap Me Up』、パッパラ〜な『A Habit Of You』などなど、微妙にヘンテコだけど必要以上にスリリングな楽曲がなんともまぁ。
 お気に入りは、モノクロームセット系のギタポ曲だけどとにかく高速な『Heyday』。気合いの入ったへなちょこ女性コーラスも素敵。
 あと、スタイル・カウンシル好きにもオススメできるのが『Two Brothers』。突然始めるジャジーに洒落たアレンジも好くって、こりゃ確かにハワイだ。
 
 
 Town And Country Blues