本日の1枚 The Golden Gate

 The Golden Gate / Year One (CD)

Year One

Year One

 
 「バブルガム系ソフト・ロック幻の名盤」なんて、よくある謳い文句についついつられて購入した再発盤。騙されるつもりで買いましたが、いや、なかなかの名盤です。
 ホイットロウ&カール・プロダクションのリード・ホイットロウとビリー・カールによるグループで、1969年にリリースされこの盤が唯一のアルバムとのこと。
 フィリー・ソウルのプロデューサーとしてしか知らなかったホイットロウですが、こんなアルバムを制作していたんですね。なるほど繊細でかつソウルフルなアレンジが素敵な曲が多く、細やかな音作りセンスに惹かれるソフロ・ファンにはたまらないアルバムです。
 
 冒頭の『High On A Melody』は、穏やかな耳ざわりを保ちながらも高揚感を盛り立てるホーンのアレンジが素晴らしいですね。そんなに派手な曲ではないものの、アルバムのレベルの高さを予感させます。
 イケイケなサンシャイン・ポップ『Monday After Sunday』、イントロの女性の呟き声だけでも胸キュンな『Diane』、揺れ揺れなスウィング感も好い『Ridin' High』、洒落たワルツ風の『Contrary To Mary』とか、一定水準以上の良曲が目白押し。
 ソフト・ロック名曲を聴きたいのであれば、ヴォーカルも音使いも甘くドリーミーな『Lucky』が、アレンジ・センスの素晴らしさを堪能するのであれば、微細な変化を美しく繰り返し続ける『In A Colorful Way』がオススメです。