本日読んだ2冊

 「大江戸釣客伝(下)」

大江戸釣客伝 下

大江戸釣客伝 下

 元禄時代の釣りキチたちを描く後編。
 ついに生類憐れみの令が釣りまでも禁止したなか、義父の吉良上野介赤穂浪士に討ち取られた津軽采女など、それぞれ登場人物たちは「哀しみ」のなかで釣りへの思いを高めていく。
 何かを極めようとする者の狂気を悲哀をこめて語る文章からは、そんな狂者へのリスペクトが溢れていて地味に心打たれます。
    
 「奥ノ細道・オブ・ザ・デッド」
奥ノ細道・オブ・ザ・デッド (スマッシュ文庫)

奥ノ細道・オブ・ザ・デッド (スマッシュ文庫)

 「大江戸釣客伝」と同時代を舞台に、徘徊するゾンビを倒しつつゾンビ発生の根源を探る松尾芭蕉の旅を描くバカ小説。
 しかし、くだらない。ゾンビは全然ゾンビしてないし、そもそもイケメンな芭蕉と美少年な曽良の掛け合いはBL風だし。
 ここまで狂ってると、それはそれでいいかもと思ってしまった。いや、やはりよくないぞ。
 一応、俳句を詠んで各話を締めてるのはいいな。