本日読んだ2冊

 「クリスタル・ヴァリーに降りそそぐ灰」

クリスタル・ヴァリーに降りそそぐ灰

クリスタル・ヴァリーに降りそそぐ灰

 女子高の日常に突然響き渡る爆音。飛び交う戦闘機から戦争の勃発かと思いきや、今度は謎のクリーチャーが出現し、女子高生たちに襲いかかる。
 しかし、本当の不条理さはその後に訪れる。不意にパラレルワールドに転移していくことで、自分の存在がぐらついていくのだ。
 女子高生の口語体で貫かれる文章はリズムレスで読みづらく、単に不条理な世界観を並べて収束させずに中途半端なまま終わってしまう。正直、だから何?という感も強い。
 しかし、平行世界に無数の自分が存在するのではなく、無数の断片が虚構の自己を妄想しているのではないかと疑う有り様に魅力も感じたり。
 あとはまぁ、女子高生が惨殺されるスプラッタな描写が好いね。
 
 「IT時代の震災と核被害」
IT時代の震災と核被害 (インプレス選書)

IT時代の震災と核被害 (インプレス選書)

 東日本大震災に関するレポートやメディア論などを何やかやと収録。
 IT業界やSNSにどのような動きがあったかを取材したレポが半分近くを占めるが、これが思いのほか読み応えあり。
 特にGoogleUstreamAmazonなどの機動力に長ける対応に感心するとともに、今後のBCPの策定などに対し優れて示唆に富んでいると感じました。