リミット

[リミット] コレクターズ・エディション [DVD]

[リミット] コレクターズ・エディション [DVD]

 目覚めると棺桶の中にいる男。イラクで運転手をしていた彼は、テロリストに襲われて地中に閉じ込められたのだ。手元にはなぜか携帯電話とライターが。携帯で助けを求めようとするが、米国の家族や会社、FBIと、どこにかけても埒があかない。そこに、テロリストから携帯に連絡が、、、というストーリーです。
 
 (以下、ネタバレ注意)
 
 最初から最後まで、カメラはほとんどずっと棺桶の中を写しているだけです。なんとまぁ、息苦しい映画なんでしょう。
 
 ただ1人の男をほぼ同じアングルで写しているだけなのに、なぜか飽きさせずに最後まで観させる力量は凄いと感心しました。
 
 必死に電話をかけ続け、メモった内容を辿る主人公。きっと何か謎解き要素があるんだろうと思ってたんだけど、結局何もなしにラストを迎えてしまいます。
 主人公との会話であぶり出されるのは、保身のため人命を捨てることを厭わない会社やFBIの姿。
 やっと救出されるかと思いきや、希望を断たれると同時に、FBI人質対策担当のそれまでのウソが露呈するラストの呆気なさは、その絶望的な呆気なさ故に秀逸であります。「おいおい、これで終わりかよ!」と。