世界女族物語
- 出版社/メーカー: ファーストトレーディング
- 発売日: 2008/07/20
- メディア: DVD
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実は僕が初めて観たヤコペッティ作品が、この「世界女族物語」なんです。ヤラセたっぷりに世界中の女性を見世物小屋な感覚で紹介する、しかも下世話なエロと残酷さをたっぷり交えるという悪趣味さに感動したものです。
息つく間も与えずに、次々とインチキ映像を畳み掛けてるスピード感と編集センスの素晴らしさにも感動。
そして、日本の描き方が酷すぎる。
街に裸が溢れているとストリップ小屋を通りがかりの少女と対比させて映すのはまだしも、週2時間は性教育の授業があると中学校を撮影したりとか、エロ視点で嘘八百を並び立てる。
最も酷いのは、マナー教室。下品にナイフとフォークを使う日本女性たち、、、おいおい。
ややもすれば有色人種を差別的に描いていると受け取られそうであるが、実際にはむしろその裏返しとして、白人女性・文化への批判が成立している。
例えば、ダンスで米国人を誘惑するタヒチ女性の映像の後に、ハンブルグの「飾り窓の女」が映し出される。まるでタヒチ女性全員を売春婦のように描くやり方は人種差別的だと感じられるかもしれないが、しかし映し出される女性はみなイキイキした表情を見せている。対して、続けて登場する「飾り窓の女」たちはすべてが醜悪に映像化されている。
基本的に非・西洋人と西洋人とを対比する編集が続くのだが、明らかに前者の方が人間らしく描かれてるのですよ。
極めつけは、整形手術中の女性。「科学の進歩が虚偽と虚飾を手を貸しています。」なんてナレーションの背後では、顔面の皮を剥がれた女性が冷ややかな視点で映し出される。
そう、非・西洋人女性のインチキ映像は笑えるのだが、西洋人女性のはいろんな意味でグロすぎて笑えないのだ。
この作品、女性蔑視、と解されるので地上波には乗せられないらしい。ラストで力強く描かれる「母性愛」な映像を観てるのか、と言いたくなるよな。
しかし、廉価版DVDは500円だとよ。一家に1枚、置いておきましょう。