本日読んだ2冊

 「ロートケプシェン、こっちにおいで」

ロートケプシェン、こっちにおいで

ロートケプシェン、こっちにおいで

 女子高生マジシャンが探偵役となる「午前零時のサンドリヨン」の続編。
 短編集でありますが、各話が終盤に向けての布石となっており、それらが結実するラストのカタルシスは少々ムリがあってもなかなか泣かせます。
 そう、前作もそうであったけど、ミステリとしてよりも青春小説として読むべき。ナイーブな少年少女たちの気持ちがちょっとエグく浮かび上がり、しかしなんとか穏やかに収束する、その甘酸っぱさを楽しもう。こういうの好きなんだわ。
 
 「フラミンゴの村」
フラミンゴの村

フラミンゴの村

 ある日、農夫アダンの妻は突然フラミンゴになった。しかし、「変身」は村のすべての女性の身に起こっていたのだ。
 不条理さは脇に置かれ、フラミンゴを巡る閉鎖的な村社会での村人の確執を軸に展開していく。
 そんなドロドロした人間関係が爆発すると同時に、色鮮やかに美しく浮き上がって終わり、、、かと思いきや、ラストに醜悪などんでん返しが待ち受ける。しかしこれもまたある意味でグロテスクだが美しくもある。