本日の1枚 Helen Reddy

 Helen Reddy / Ear Candy (LP)
 
 
 オーストラリア出身のMOR系シンガー、ヘレン・レディが1977年にリリースしたアルバム。
 ヒット曲もあるようですが、正直あんまり知りません。ちなみに僕は、フリー・ソウル的な視点で見直されたアルバム「I Am Woman」を聴いて、ちょっと好いなと思った人なのであります。
 さてこのアルバム、プロデュースはキム・フォーリー&アール・マンキー。ランナウェイズを産み出したキム・フォーリーと、スパークスのメンバーだったアール・マンキーですよ。
 そしてアレンジャーとしてサンレイズのリック・ヘン、ドラマーにはTOTOのメンバーだったジェフ・ポーカロが参加したりしています。
 
 そんなクセのある人たちが参加した盤ですが、基本的には普通に美しくフォーキーな楽曲ばかりであります。割りとソフト・ロッキンな感触のポップさ。
 キュートに跳ねるリズムの『Midnight Sky』なんかは、ソフロ・ファンも納得の逸品であります。
 しかし、美しさがいつの間にかファニーに狂い始める『Long Distance Love』や、どサイケにグルーヴィな『Baby, I'm A Star』など、イマイチ冴えないパンキッシュさもまた面白い。
 
 このアルバムの白眉は、スティーヴィー・ワンダーのカヴァー『If It's Magic』でありましょう。なんだかとてもモンドなテイストで素敵なのです。アレンジはイージーなソフロ系なんですけど。
 僕のお気に入りは『The Happy Girls』。マーク・ピ−ターズがアレンジした音はとにかく柔らかく、浮遊感たっぷりで、聴いていると穏やかな多幸感に包まれるような気がします。
 
 
 The Happy Girls