本日の１枚 Ringo Deathstarr

　Ringo Deathstarr / Colour Trip (CD)

Colour Trip

　
　最近のシューゲイザー系グループのうち、僕の中ではペインズと並んで２大巨頭なのがこのリンゴ・デススター。まずもって、リンゴ・デススターって名前にもうグッときちゃいますね。その素敵なネーミング・センス以上に、奏でる音楽もまた素晴らしい。
　とりあえず１曲目『Imagine Hearts』。ジャケの印象どおりにマイブラ「ラヴレス」直系の音であります。
　甘美なフィードバック・ノイズと甘美なメロディ。王道のシューゲイザー・サウンドでありながら、不意に裏切る展開をみせるアレンジがまた素晴らしい。
　同様の音を奏でるバンドは数あれど、捻り具合も幻想的なポップさも非常に洗練されていて、ちょっとレベルが違う感じがしますね。
　弱々しくキュートな女性ヴォーカルも素敵すぎます。
　
　２曲目の『Do It Every Time』では、高速な轟音ギターにのせ、いきなり野太い男性ヴォーカルが聴こえてきてまたも意表を突かれます。
　そこにキュートな女性コーラスが被さるんだけど、その構成に係るセンスは、なんとなくヴァセリンズっぽいなと思いました。
　続く『So High』も疾走するドライヴ感が好いのですが、このあたり、このバンドがジザメリ・チルドレンと評されてるのも分かる気がします。
　
　青春ギタポな雰囲気の『Kaleidoscope』、ラヴレス系のサウンドにエレクトロニカ的な要素も光る『Day Dreamy』、攻撃的なノイズにも関わらず儚く切ない『Chloe』など、以降の曲もすべて素晴らしい。
　そしてラストではなぜかグラウンド・ビート的なダンス・ミュージックの『Other Things』。ズ太く響くベースのグルーヴィさはレゲエ風なんだけど、そこに淡い女性ヴォーカルが乗ってて好いなぁ。
　アルバムの最後にわざわざダンサブルな異色の曲をなぜ、と思ったけど、でも「ラヴレス」のラストも『Soon』だったしね。
　
　
　Imagine Hearts