ザ・フィールド

 ドライブ中にカラスの大群に劇膣されて事故ってしまった5人の男女。そこはトウモロコシ畑で、気がつくと仲間の1人が見当たらない。付近を探索すると、明かりの灯った廃墟のような小屋が、、、というストーリーです。
 (以下、ネタバレあり。)
 
 トウモロコシ畑が舞台の米国ホラーって結構ありますよね。確かに背の高いトウモロコシが広大な面積に群生していると、その中に入り込むとまるで迷路に閉じ込められたのと同質な感覚を味わえますし。
 さてこの作品、襲いかかるクリーチャー(?)は、ジャケのとおり案山子であります。
 
 こうして静止画で見ると間抜けですが、動いていると案外に怖い。いや、やっぱり静止画でも怖いか。
 
 内容はまぁただ単に案山子が襲ってくるだけなんだけど、そのスピード感からくる緊張感が凄い。
 また、憑依された犠牲者の死体が小屋で案山子の頭巾をミシンで作る場面のスローさとの対比で、より襲撃シーンのスピード感を増しています。この映像センスは素晴らしいよ。
 
 映像だけでなく、効果音の使い方も上手く、ただ単に案山子が襲うだけの作品を見事にホラーとして成立させています。
 クズ映画だろうと期待せずに観たんだけど、意外にも良作でした。
 希望の果ての絶望が不条理に襲いかかる、ラストのカット割りも秀逸であります。観終わってもしばし余韻に浸れます。