本日の1枚 Som Imaginario

 Som Imaginario / Matanca Do Porco (LP)
 
 
 ミルトン・ナシメントのバック・バンドを務めていたミナスのグループ。1973年にリリースされたこの3枚目は、フル・インストゥルメンタルなアルバムなのです。
 中心となるのは、ピアニストのヴァグネル・チゾ。ミルトンのアルバムでしばしば名を見かける人ですが、アルバムの全曲に彼の名前がクレジットされています。
 さてその楽曲、これがもう思い切りプログレッシヴなものばかり。MPBにジャズ・ロック、プログレなどの要素が錯綜する様は、メチャメチャなようだが非常に洗練されているのです。
 
 とりあえず冒頭の『Armina』。素朴な味わいのピアノに耳を奪われていると、気がつくとウネリを帯びながら劇的に展開していく。そのジャズ・ロックなウネリのグルーヴィさと、シンフォニック・プログレな技法を支える確かな演奏力がとにかく凄い。
 タイトル曲『A Matanca Do Porco』もプログレ系な大作。いかにもプログレ様式美な壮大さの中に、やはり随所にブラジリアンなテイストを感じる。
 
 などと言いつつ、僕のお気に入りはプログレ的な要素の少ない『Mar Azul』なのでした。重いジャズ・ロックな演奏に、軽やかなエレピやフルートが飛翔するクロスオーヴァー・タイプ。
 オルガンもグルーヴィな荒れ狂うジャズ・ロックな音の渦に、ミナス的な浮遊感がさらにウネリを拡大する『A 3』もカッコ良い。
 
 
 Armina