本日の1枚 伊藤ゴロー

 伊藤ゴロー / GLASHAUS (CD)

GLASHAUS

GLASHAUS

 
 前作「Cloud Happiness」から1年半ぶりのソロ・アルバムは、クラシック・ギターを中心にしたインストゥルメンタル・アルバム。
 チェロにジャキス・モレレンバウム、ピアノにアンドレ・メマーリと、ブラジルのミュージシャンで固めていますが、演奏はあまりブラジル的ではなくクラシカルな手法なのでした。けれど即興的なコントラバスなどはジャズ風でもあります。
 まぁとにかく美しいとしか言いようのないアルバムですが、同時に緊張感が溢れていて、聴き始めると耳を離せなくなってしまいます。インストなんでBGM的にさらりと聴きたくても、そうはできないような。
 
 もちろん演奏も素晴らしいのですが、それ以上に音の質感に惹かれました。
 例えば歌声をじっくり聴かせるシンプルなヴォーカル・アルバムで、歌声の合間のブレスや吐息に感じる魅力がありますが、冒頭の『Glashaus』からそのブレスの魅力と同質なものを感じました。
 特に、目の前で演奏しているかのような、『Beaches』のリアルなギターの息吹にグッときます。
 
 とりあえず僕は氏のギターとコントラバスの絡みが大好きなので、それを堪能できる『Five Steps』や『Obsession』がお気に入り。
 あとは、ジャキス・モレレンバウムが手掛ける、『Glashaus -with strings-』のストリングス・アレンジも素晴らしいですね。うっとりするような叙情的な美しさであります。