本日読んだ2冊

 「みみずく偏書記」

みみずく偏書記 (ちくま文庫)

みみずく偏書記 (ちくま文庫)

 由良君美による書物と読書に関するアレコレ。書物に耽溺することになった自分史などを、そこはやはり本格的な英学論を交えながら気侭に語っています。
 一見難解なようであるが、サクサク読み進められます。って、先週内田樹「街場の読書論」を読んだときと同じような感想。
 いやそれだけでなく、知の連鎖により読書を活かすスタイルとかも(プリコラージュに対する考え方などモロに)、内田樹の語りを読んだときと同じような読後感であります。
 
 「南極点のピアピア動画」
南極点のピアピア動画 (ハヤカワ文庫JA)

南極点のピアピア動画 (ハヤカワ文庫JA)

 SF短編集なのですが、タイトルとジャケのとおり、ニコ動とミクをネタにしています。
 ヴォーカロイドに愛を歌わせながら南極点から宇宙に飛び立つタイトル作など、日常から始まりながら気がつけばハードSFに展開しているストーリーは、一見ラノベ風であるが実に骨が太い。
 各話のネタ振りを結実させる、宇宙規模なスケールに拡大するラストは感動的であります。