本日の1枚 JG Thirlwell

 JG Thirlwell / Music Of JG Thirlwell (CD)

Music of Jg Thirlwell

Music of Jg Thirlwell

 
 生音なジム・フィータス。
 と言っても比喩的な表現ではなく、ホントにフィータスなんですね。最近までそんな名前になったことも知りませんでした。
 これは2009年にリリースされたアルバムで、米国アニメのサントラだそうで、かつての攻撃的なインダストリアル・サウンドを聴くことはできませんが、打ち込みサウンド室内楽団を率いて再構築していく音楽はやはり過激でありますね。聴いているうちにじわじわと浸透してくる過激さ。
 
 冒頭の『Brock Graveside』は、西部劇風な口笛で始まるイントロに軽く驚きましたが、怒濤の勢いのオーケストラ・サウンドの展開は、あぁやっぱフィータスだよなぁ。
 小品であっても疾走感が不安をかき立てる『Bolly』なども、まぁフィータスらしい。
 しかし、流麗に美しい『Damion』などは、僕の(20年以上前の)フィータス像からは随分とかけ離れてますね。
 
 恐怖SF風な『Tuff』とか、さすがにサントラな感じですね。当たり前かもしれませんが。
 スパイ映画風な『Node Wrestling』はスリリングなジャズ・ファンクで、フルートやヴァイブなどの音色も普通にカッコいい。
 オールドタイミーな『Mississippi Noir』、思い切りラテンな『Warped Span』などは、いかがわしいムーディさもまた好し。
  
 
 Brock Graveside