ここ数日で読んだ4冊

 「ビブリア古書堂の事件手帖 3」

 ビブリア古書堂、3作目が出ました。従来どおりに古書をネタにした「日常の謎」系なミステリで、そのネタを絡めるセンスと展開の妙はやっぱ面白いなぁ。惹き込まれて一気読みです。
 ただ、探偵役の栞子と母親を巡るストーリーに主軸が置かれてしまったようで、次作に向けての伏線だらけなのが期待と同時に不安もね。
 
 「山手線探偵」
山手線探偵 まわる各駅停車と消えたチワワの謎 (ポプラ文庫)

山手線探偵 まわる各駅停車と消えたチワワの謎 (ポプラ文庫)

 山手線で営業するオフィスレスな探偵と、助手役の小学生女子とミステリ作家の3人が車内で事件を解決、てなお話。
 Amazonの紹介文には「ほんわか下町人情満載のユーモアミステリ」とありますが、いきなり小学生が電車に轢かれる残虐な場面から始まります。さすが、七尾与史。
 予想どおりの結末とはいえ、張り巡らされた伏線の回収はお見事であります。シリーズ化されそうなので、ちょっと気がかり。 
 
 「しあわせなミステリー」
しあわせなミステリー

しあわせなミステリー

 伊坂幸太郎、中山七里、柚月裕子、吉川英梨の短編4作を収録したアンソロジー。ほのぼの系な作品を想像してたんですが、あんまりそうでもなかった。
 全然「しあわせ」じゃないし。
 けど、シリーズものからの一品が多いせいか、キャラが立ってる作品ばかりで楽しめました。柚月裕子の検事・佐方貞人シリーズは読んでみよっと。
 
 「日本の大転換」
日本の大転換 (集英社新書)

日本の大転換 (集英社新書)

 原発一神教の類似性を指摘するオープニングは素敵ですが、その後が何も続いてない。残念。
 しかし、結局は何の内容も無いのに、日本の将来について意義ある提案をしているかのように見せる筆力は凄いと思う。例えば、主語を「わたしたち」で統一したりとか、巧みであります。