ここ数日で読んだ4冊

 「山伏と僕」

山伏と僕

山伏と僕

 普通の生活から山伏修業に身を投じる様を語りは、粛々としているが決してクールではない。「無」を体感した著者ならではのものであろうか。
 縄文からの自然信仰を追求する視線もとても穏やかであり、なんというか好感をもって読み進めてしまう一冊。
 
 「音楽が降りてくる」
音楽が降りてくる

音楽が降りてくる

 序盤の細野さん論からいちいち納得。音楽に対する姿勢に畏怖と共感をもって読み進めました。
 相撲の輪島を論じていても、やはり「音楽が降りてくる」ことを感じてしまうのよ。
 
 「聴き屋の芸術学部祭」
聴き屋の芸術学部祭 (ミステリ・フロンティア)

聴き屋の芸術学部祭 (ミステリ・フロンティア)

 聴き屋体質(?)の大学生が探偵役となる短編集。ほのぼの日常の謎系な作風であるが、そのほんわかと穏やかな流れの中で、クスリと微笑ませる笑いのセンスと、あくまでもミステリな展開はなかなか素敵であります。
 主人公たちのキャラも好し。
 
 「アサッテの人」
アサッテの人

アサッテの人

 「アサッテ」な叔父を巡るストーリーは哲学エッセイ風であれど、その面白さの本質は語感の響きにあり。「ポンパ」とかね。
 なんと図で終わるエンディングも含め、リズムがとても素敵でありました。