本日の1枚 Peter Howell & John Ferdinando

 Peter Howell & John Ferdinando / Alice Through The Looking Glass (CD)

Alice Through the Looking Glass

Alice Through the Looking Glass

 
 イサカのピーター・ハウエルとジョン・ フェルディナンドが1969年に自主制作でリリースしていた盤。まぁ、イサカとかも自主制作ではありますが。
 タイトルどおり「鏡の国のアリス」をテーマとしたコンセプト・アルバムで、地元の劇団の舞台で使用されたそうです。
 なので、劇中の様子もそのまま録音されていて、例えば、女の子(アリス役?)の拙くもキュートな台詞など、ほのぼのとした雰囲気がそのまま伝わってきます。
 
 とは言うものの、そこはやはりイサカの2人組、楽曲そのものは珍妙な色彩のサイケ・テイストなものばかり。
 基本は木漏れ日フォーキーながら、ぼんやりと幻想的で、そしてヘナチョコな感もまた愛らしい。
 さらに、なぜか随所に挿入される珍妙なSEやコラージュなど、こっそりと展開される実験的なサイケ絵巻もまた好いのであります。
 
 オープニングからの2曲は、のどかに牧歌的なインストで、yわらかさと同時にどこかキュートな趣もあります。
 しかし、続く『Jabberwocky』は、いきなりの内省的フォークで暗黒な気分に突き落とします。と思いきや、次の『Dance Of The Talking Flowers』は、幻想的にトイ・ポップ風なアレンジで。
 アコギに鳥の鳴き声などを配した『Through Looking Glass Wood』、リコーダーに語り声の『Dum & Dee』など、いかにも英国的なソフト・サイケ感が好いです。
 そして、木漏れ日フォーキーなサウンドに突如として鳴り響くサイケなSE、女の子のキュートな台詞が挿入される『Her Majesty Queen Alice』が、こりゃもう極めつけといったところでしょうか。
 
 Acme Records からの再発CDには、ボーナス・トラックがなんと13曲も収録されています。しかし、すべて数十秒のインスト曲、SE音のみの曲であったりするのですけど。
   
 
 Her Majesty Queen Alice