ここ数日で読んだ3冊
「椿説泰西浪曼派文学談義」
- 作者: 由良君美
- 出版社/メーカー: 平凡社
- 発売日: 2012/07/10
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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その膨大な知識の洪水と、コールリッジにブレイク、さらにワーズワースなどまでを総括する視点の独自性は溜め息ものであり、実に「面白い」のです。聞いたこともない単語や難解な言い回しを何気にポンッと連ねられる文章の妙に、知識欲をかき立てられます。
「すこしイギリス文学を面白いものにしてみよう」という序文から挑発的であるが、辛辣な物言いさえ洒落た雰囲気で包んでしまうセンスもまた好いなぁ。
「冥土めぐり」
- 作者: 鹿島田真希
- 出版社/メーカー: 河出書房新社
- 発売日: 2012/07/07
- メディア: ハードカバー
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そこはかとない寂寥感は素晴らしいんだけど、人物像にリアルさが感じられないので読後に何も残らない。それもわざとなのか。
もう1編収録されている「99の接吻」はすっごく面白かったですよ。
「ティンカーズ」
- 作者: ポールハーディング,小竹由美子
- 出版社/メーカー: 白水社
- 発売日: 2012/04/13
- メディア: ハードカバー
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自分の記憶と父の記憶、祖父の記憶がコラージュされて入り組む、まるで叙事詩のような物語は、時計の如く機械的な緻密さと同時に、幻想的な美しさも湛えている。