本日の1枚 Dudley Benson

 Dudley Benson / Forest: Songs By Hirini Melbourne (CD)

Forest: Songs by Hirini Melbourne

Forest: Songs by Hirini Melbourne

 
 帯によると、ニュージーランドのポップ・マエストロ、らしいです。マオリ族のコンポーザー、ヒリニ・メルボルンの「鳥」に関する楽曲をカヴァーしたアルバム、らしいです。
 しかし、どんな音楽なのか全く調べもせず、ただ、ヴァシュティ・バニヤンが参加しているということだけを知って衝動買いしてしまいました。
 
 で、前知識無しに聴いたので軽く驚いたのですが、基本的に全ての曲が「声」のみで構成されています。
 そして歌詞はマオリ語、てことで、オーガニックに民族的なアルバムを想像したら大間違い。
 そのアレンジはヒップ・ホップ的であったり、エレクトロニカ的であったり、ビョークの「メダラ」をジャングル・トライバルにしたような感じであります。
 
 冒頭の『Pipi Manu E』から、ヒューマン・ビートボックスに「ぴーぴー」とファニーなコーラスの重なりが面白い。
 地元のコーラス・グループを起用したそうですが、実は普通にドゥー・ワップなスタイルでありながら、その重厚なコーラスが呪術的に響いてくるアレンジの妙がなかなか面白いのです。
 『Ruru』のように、モロにヒップ・ホップ的な曲があったり、『Kiwi』のように、密林の音楽な曲調でありながら、なぜか英国的な「森の奥」な感性の曲もあったり。微妙に意表を突く展開もまた素敵であります。
 
 お気に入りは、やはりヴァシュティの歌声が聴ける『Tui』。
 ドゥー・ワップ風のコーラスをリズム楽器のように使用し、フォーキーに「声」を配するアレンジには根底にエレクトロニカな感性を感じます。
 そして、そこに漂うヴァシュティ(60歳くらい?)の歌声はやはり可憐だ!
 
 
 Tui