ここ数日で読んだ4冊

 「独立国家のつくりかた」

独立国家のつくりかた (講談社現代新書)

独立国家のつくりかた (講談社現代新書)

 タイトルから想像してしまうような「反体制」な主張はない。むしろ体制に蜂起しようとすることは既にレイヤーに取り込まれていることを意味する、という主張が面白い。路上生活者の考察などの実践的レポートもまた面白いなぁ。
 しかしこりゃ、資本主義のおこぼれで成り立つ「自由な泳ぎ方」マニュアルにしか見えないので、保守的な思考の人には視点が広がり目からウロコだろうけど、きっと本当に独立国家をつくりたいような反体制な人はカチンときちゃうだろうな、とか思った。
 
 「さよならクリストファー・ロビン
さよならクリストファー・ロビン

さよならクリストファー・ロビン

 「虚無」と戦うものたちの物語、と帯にあるが、そのとおり物語を紡ぐことで虚無に抗おうとするプーさんたちを描いた表題作の読後感がじんわりと哀しくて好いなぁ。
 しかしまぁ、児童文学風に軽易な文体に反し、世界観が重くって読みにくいなぁ。
 読んでいると虚無に打ちひしがれそうになるのがまた好いのだけど、ラストに近付くにつれて失速していく感がやや残念。
 
 「エス
エス

エス

 「リング」シリーズの最新刊ですが、やはりまた怖くないなぁ。やっぱこのシリーズで怖いのは「リング」だけか。
 しかも、過去作を読んでないと全然意味分からないんじゃないですか、これ。
 さらに、なんかちょっといい感じで終わってしまうのもシリーズらしくないしねぇ。
 
 「ジェノサイド」
ジェノサイド

ジェノサイド

 図書館で予約して8ヶ月も待たされたよ。でもさすがにエンタメとしてとっても面白かったよ。