本日の1枚 Harbinger

 Harbinger / Second Coming (CD)

Second Coming

Second Coming

 
 レコ屋の謳い文句に「キング・オブ・ダウナー・フォーク」と書かれるデイヴ・ビックスバイ。そんなダウナー・フォークの逸品たるソロ作品「Ode to Quetzalcoatl」と同時期に制作されたアルバム。
 4人組のバンド編成ですが、内容はやはりダウナーなアシッド・フォーク。しかし、女性コーラスなどを配してサイケなポップ感が増しています。そして、しょぼい歌声と演奏にも関わらず、とても耽美なドリーミーさを感じます。
 
 冒頭の『Cosmic Energy』から、ジャカジャカとかき鳴らすサイケなギターとユルユルな歌声の魅力が素敵。いきなりの無意味な転調など、微妙な狂気もまた素敵。
 『Times To Clear Your Mind』とか、どこを見てるのか分からないような、足下の覚束ないユラユラ感が好いのです。
 『Control』とか、まるで適当にかき鳴らされるギターのアシッド感や歌声の穏やかな狂気が、聴くほどにじわーんと増してきます。
 『Open Doors』の「うー」ってコーラスなんてたまんないです。原色ではないパステル調のサイケ感が、どんよりぼんやりとドリーミーで好いなぁ。
 
 まるで音楽性は違うんですけど、なんとなく、マイブラ『I Can See It (But I Can't Feel It)』を初めて聴いたときのような印象を受けました。
 
 
 Cosmic Energy