本日の1本 ゾンビ・ヘッズ

 
 3年振りに目覚めたマイクを銃弾が襲う。慌てふためくが痛みを感じないマイクに、ブレンドと名乗るゾンビが話しかけてくる。なんと、彼らはゾンビでありながら人間の知性をそのまま備えていたのだ。そして、マイクのかつての恋人に指輪を渡すため、2人は旅を始めるが、、、というストーリーです。
 (以下、ネタバレありです。)
 
 サブタイトル「死にぞこないの青い春」。
 自分の気持ちにケリをつけるため、昔の恋人を訪ねて旅をする。ロード・ムービー的な味わいもあるが、しかし主人公は中途半端にゾンビ化しているのです。
 当然ながらゾンビ・コメディな作品であり、そしてまた奥手な青年の青春物語でもあります。
 
 普通にゾンビ映画で始めるオープニングから、いきなりコメディ・タッチに転ずる序盤の展開はとても素晴らしい。
 
 いきなり主人公の右腕が取れちゃったよ。どうなるのかと思いきや、グッと押し込んだらくっついちゃった。
 
 
 しかし、肝心の本編が始まるとどうもイマイチな感に悩まされます。
 ストーリーも好いし、撮り方も好いし、何が悪いのか指摘するのは難しいのだけど、まぁ端的に言えば、「ゾンビでやる必要ないじゃん、これ」という感じでしょうか。
 金持ちの娘に恋した貧乏なオタク青年。しかもゾンビになっちゃって、自分なんて・・・との葛藤からなかなか愛を伝えられない。仮装パーティで着ぐるみの中に入って語りかけるシーンなんて、泣かせるなぁ。けど、ゾンビでやる必要ないじゃん、これ。
 というか、序盤以降は、主人公たち以外に全然ゾンビも出てこないし。
 
 想定外のハッピーエンドはまぁバカバカしくって好かったけどね。