ここ数日で読んだ4冊

 「この世のメドレー」

この世のメドレー

この世のメドレー

 「どつぼ超然」の続編らしい。今回、超然たる“余”が流離うのは、なぜか沖縄。
 生意気な若造を伴っての沖縄道中では、なんとロックバンドのヴォーカルを務めることになるのですが、そのバンド、ポコランポコランズの楽曲での歌詞が秀逸であります。
 相変わらず言葉と思考のセンスに痺れる作品なのですが、特にこの歌詞のアホらしさにはうならされる。やはり、町田は詩人であります。
 
 「人間の叡智」
人間の叡智 (文春新書 869)

人間の叡智 (文春新書 869)

 現代を新帝国主義の時代と位置付け、歴史的な経過と現在のトレンド、ルールを、氏らしい視点で分析する。平易でかつ薄い本ですが、ここ最近の氏の著作の中でも屈指の内容であります。あんまり共感はできないけどね。
 国家機能の強化を力説する氏が、(柄谷行人と同じく)中間共同体の必要性を訴えてるのはちょと面白いと思った。
 
 「古書狩り」
古書狩り

古書狩り

 タイトルに惹かれて読んでみたら、なんと、古書収集家を巡るSFな話や何やかやでした。
 何気に期待していた古書な蘊蓄などは全くなし。まぁまぁ面白かったけどね。
 
 「ポルノ雑誌の昭和史」
ポルノ雑誌の昭和史 (ちくま新書)

ポルノ雑誌の昭和史 (ちくま新書)

 エロ雑誌業界にいた年寄りの回顧録、という感じ。
 単なる事実の羅列に資料的価値を見出すことは可能かもしれないが、文化史として読めるほどの内容はなく、何より読んでてあんまり面白くない。