ここ数日で読んだ3冊

 「光圀伝」

光圀伝

光圀伝

 今度の時代小説は黄門様。750ページものブ厚さを一気に読ませる筆力に唸らされました。
 「天地明察」のようなエンタテイメント性は薄いが、青年時代の「詩で天下を取る」という発想にも唸らされました。
 儒学にまつわる蘊蓄も適度に心地良く、ライバルとの友情や妻への愛情など青春な要素もまた好し。そのキャラも際立っていて好し。
 
 「ヘンたて」
ヘンたて 幹館大学ヘンな建物研究会 (ハヤカワ文庫JA)

ヘンたて 幹館大学ヘンな建物研究会 (ハヤカワ文庫JA)

 「ヘンな建物研究会」という学生サークルの面々が遭遇する「日常の謎」系ミステリ短編集。面白いですよ。
 ユーモア系ではありながら無理に笑わせようとしない感性も好いし、甘酸っぱく残念な青春譚もまた好し。
  
 「ベヒモス
ベヒモス―クラーケンと潜水艦 (新☆ハヤカワ・SF・シリーズ)

ベヒモス―クラーケンと潜水艦 (新☆ハヤカワ・SF・シリーズ)

 スティーム・パンクな冒険小説「リヴァイアサン」の続編。
 舞台は第一次大戦時のイスタンブールで、英国の遺伝子工学で作られた人造獣の飛行船に対し、ドイツはニコラテスラが開発した稲妻砲で迎え撃つ。
 て設定がなんとも素敵ですが、主人公2人の友情(と愛情)を軸にしたジュブナイルな人間絵巻もまた好い感じであります。