本日の1枚 Tia Blake & Her Folk-Group

 Tia Blake & Her Folk-Group / Folksongs & Ballads (CD)

Folksongs & Ballads

Folksongs & Ballads

 
 米国の女性SSW、ティア・ブレイクが1971年にフランスに渡りリリースした唯一のアルバム。なぜフランスなのか分かりませんが、1枚で終わってしまったのが惜しいと思える良盤であります。
 ヴァシュティが好きな人にオススメ、みたいなレコ屋の謳い文句に釣られたのですが、歌声はかなりハスキーであんまりキュートではありません。しかし、ハスキーだけどどこか儚げであり、凛とした美しい響きがあります。なのでまぁ、やはりヴァシュティが好きな人にオススメなのでありましょう。
 曲は米国やアイルランドのトラッド曲などのカヴァーが中心で、シンプルな印象を受けますが意外に洗練されたアレンジがとても素晴らしい。そして、とってもポップであります。
 
 冒頭の『Betty And Dupree』は、ドブロなどもフィーチャーしたオールドタイミーなアレンジ。適度にやる気のない歌声がアーシーで素敵。
 しかし、続く『Black Is The Color』で一気に英国の暗い森に。木漏れ日フォーキーな『Single Girl』での、やや憂いを帯びた歌声と慈愛に満ちた空気にじーんときちゃいます。
 そう、以降は全体的に英国フォークな雰囲気であります。
 
 有名曲の『Jane, Jane』はとびきりアーシーにカヴァー。ミニマルなアコギと呟くような歌声に惹き込まれました。
 音数少ない『Rising Of The Moon』は、隙間の無音と内省的な歌声が素敵。ジェントルな男性コーラスを配した『Hangman』の軽やかさも素敵。
 いきなりウキウキにカントリー・ポップ調の『Jesus』も、どこか儚げで好いのだなぁ。
 
 僕の持ってる再発CD(リリースはWater Records)には、デモ音源など8曲のボートラが収録されています。
 その中では『Wish I Was A Single Girl Again (Rehearsal Take 2)』がお気に入り。なぜかじんわりとグルーヴィなのです。
 
 
 Jane, Jane
 
 
 Hangman