ここ数日で読んだ2冊

 「屍者の帝国

屍者の帝国

屍者の帝国

 伊藤計劃未完の長編を円城塔が完成、という作品ですが、うーむ、期待以上の面白さでありました。
 屍者を自在に操ることが可能という設定は、懐かしのサイバーパンクな世界観でありますが、そこに伊藤計劃らしい「生と死」や「意識」への問いかけが据えられ、さらに円城塔らしい「言葉」の発現が巡る。
 主人公ワトソンの師はヴァン・ヘルシング、追うのはフランケンシュタイン、出会うのはカラマーゾフなどと、名作キャラのファンタジックな交錯にも単純にワクワクしちゃいました。
 
 「ビアンカ・オーバースタディ
ビアンカ・オーバースタディ (星海社FICTIONS)

ビアンカ・オーバースタディ (星海社FICTIONS)

 筒井康隆の手によるラノベ。と聞いていたものの、タイムトリップしたり人面カエルを製造したりなど、イカレた展開は筒井ワールドであります。
 しかし、文体や学園キャラ設定はやはりラノベ。その両者の中途半端さがまた面白みでもあります。