本日の1枚 Roman Andren

 Roman Andren / Juanita (CD)

ファニータ

ファニータ

 
 スウェーデンのキーボーディストによるメロウ・ブラジリアン・ジャズなアルバム。2008年のリリース。
 レコ屋の謳い文句には「スウェーデンのデオダート」なんて書かれてましたが、その言葉に納得してしまうような、まるで70年代の質感なサウンドであります。
 前知識なしに音を聞いたら、とても2008年の作品だとは思えないでしょう。
 
 まずは冒頭の『Let's Live Forever, Love』。疾走するサンバなリズムに乗っかるのは、きらめきメロウ・グルーヴなサウンドにちょいと気だるい女性ヴォーカル。
 うーむ、こりゃ70年代の米国フュージョン系メロウ・ブラジリアンであります。
 続くメロウ・ボッサな『Bumblebee』も、ぼわーんとしたエレピの音色が気持ちいい。微妙にロー・ファイなこの響き、素晴らしいアレンジだなぁ。
 
 リゾート感たっぷりな心地良い曲が目白押しなんですが、特にお気に入りは『If Tomorrow Will Come』。
 これもまた柔らかにメロウなボッサ・ポップなのですが、コーラスなどの感触がとてもロジャニコっぽい。
 このあたりのソフロ・テイストもまた、70年代な感じがするのです。
 
 時おり挟まれるなぜかモンドなサイケ・ジャズ系の楽曲も好い。
 ラストの『Love Has A Name』なんて、いかがわしい雰囲気がまた面白いなぁ。
 
 
 Bumblebee