本日の1本 怪談昇り竜
日活100周年邦画クラシックス GREATシリーズ 怪談昇り竜 HDリマスター版 [DVD]
- 出版社/メーカー: Happinet(SB)(D)
- 発売日: 2012/09/04
- メディア: DVD
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立花一家二代目明美は出入りの最中に、狙った組長の妹の目を斬ってしまう。その横には黒猫の姿が。服役後、出所した明美の舎弟たちが次々と惨殺され、彼女は黒猫の祟りに怯え、、、というストーリーです。
(以下、ネタバレありです。)
石井輝男監督、梶芽衣子主演の珍品任侠映画がついにDVD化されました。
非道な組によって解散を余儀なくされた主人公たちが、仲間を次々と殺された挙句についに怒りを爆発させ、殴り込んで復讐を果たすという王道なヤクザ映画ストーリー。
そこに無理矢理に怪談要素を絡めようとして、いや、結果的に全然絡んでないよ!
猫に祟られていると信じ込んでいる主人公。しかし、オープニングで斬った少女は盲目の刺客として前半から登場してるし、全くもって怪談として成立してないじゃない。
「怪談」は日活側からの要請だったそうですが、それをすっかりコメディ化してしまってるのが石井輝男の凄さ。というか、なぜか全編的にコメディ仕立てであります。ライバル役で登場した内田良平はいつもフンドシ一丁で尻を出してるし・・・。
しかし、石井輝男らしさが爆発するのは、敵役となる盲目の刺客が姿を見せる見世物小屋のシーンから。
いきなり異世界に引きずり込まれます。
そしてこの人、土方巽が登場。女の着物を纏った傴僂男による舞踏。おいおい、ヤクザ映画じゃなかったのか。
まぁこの見世物小屋の奇怪さが、怪談っぽいといえば言えなくもないか。
ラストの立ち回りでは、やはり梶芽衣子がカッコいい。
最終対決では、背景がSF映画のようだ。なんじゃこれ、しかしこれもまたカッコいい。
いやぁ、やっぱ石井輝男作品は面白いわ。