本日の1枚 坂本慎太郎

 坂本慎太郎 / 幻とのつきあい方 (CD)

幻とのつきあい方

幻とのつきあい方

 
 ゆらゆら帝国解散後の2011年にリリースしたソロ・アルバム。パーカッションとベースを中心に組み立てるリズムに、フレンチにラテン、歌謡曲サウンドがとてもポップ。
 そして薄い。
 なので初めて聴いたときは、ゆらゆらのサイケなグルーヴィさ、濃さを念頭に置いていたので、とても意表を突かれた思いでした。
 
 まず、オープニングの『幽霊の気分で』がいきなりラテン歌謡。男女ヴォーカルですが、このタイプにありがちな「昭和」なテイストはあまり感じられず、洗練されたムーディさがとても心地良くカッコよい。
 続く『君はそう決めた』は、エヴァーグリーンな雰囲気のシティ・ポップ。穏やかにファンキーで、ニュー・ソウル的な味わいであります。
 南国モンドな『思い出が消えてゆく』、軽やかファンクな『仮面をはずさないで』、爽やかフォーキーな『何かが違う』とか、小粒ですが粒よりな曲ばかり。
 
 一番のお気に入りは、とろーんとメロウ・フォーキーな『幻とのつきあい方』なんですが、女性ヴォーカルを効果的に配した『ずぼんとぼう』と『小さいけど一人前』も好し。
 『ずぼんとぼう』は、穏やかにうねるダブな曲調と、「ドュビドゥー」な女性コーラスの語感が素敵。
 『小さいけど一人前』は、ゆったりアーシーな曲ですが、なぜか80'sニューウェーヴな空気を感じました。ライトにブリブリしたベースに、「トゥトゥルトゥー」な女性コーラスがまた素敵で。
 
 
 君はそう決めた