ここ数日で読んだ3冊
「青い脂」
- 作者: ウラジーミル・ソローキン,望月哲男,松下隆志
- 出版社/メーカー: 河出書房新社
- 発売日: 2012/08/23
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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旧ソ連に実在した人名が跋扈するハチャメチャな作品。とにかく悪趣味。生理的嫌悪を催させる暴力シーンや拷問の果ての食人など、ただ連続される下劣な場面に唖然。圧巻はスターリンがフルシュチョフが激しく愛し合うホモ・シーンだが。
これを旧ソ連やあるいはロシア文学への批判と読むべきか、ただのエログロ小説と読むべきか。後者に1票を投じよう。
「京のわる口」
- 作者: 秦恒平
- 出版社/メーカー: 平凡社
- 発売日: 2012/10/10
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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文庫で再刊されました。おっとり優しげと誤解されがちな京言葉を「位取り」をキーに読み解く、その鮮やかさにいちいち頷いてしまいます。京都市民以外にどれだけ理解可能か微妙な気もしますが。
白眉は、「源氏物語」と「枕草子」を現在の京言葉で訳した京ことば談義。ただ単語の分析に終わらず、文化論としてこれまた鮮やかに胸にこたえます。
「禁断の魔術」
- 作者: 東野圭吾
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2012/10/15
- メディア: 単行本
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ガリレオ8作目。物理トリックの妙はすっかり後ろに引いてしまい、人情ミステリな趣がまた強まったような。まぁ面白かったけどね。