ここ数日で読んだ3冊

 「映画は父を殺すためにある」

映画は父を殺すためにある―通過儀礼という見方 (ちくま文庫)

映画は父を殺すためにある―通過儀礼という見方 (ちくま文庫)

 サブタイトルのとおり「通過儀礼」な視点で映画を分析。20年ほど前に出版された著書を加筆修正したもので、他人を含めて同様の切り口を度々目にしているので新鮮さはないですが、しかし、宮崎アニメの中途半端さを論じる斜め目線に頷いてしまいました。
 逆・通過儀礼な寅さんと漱石の共通点なども面白い。
 関係ないけど、僕が修業シーンのないカンフー映画に魅力を感じないのも、通過儀礼の視点から・・・とか考えてニヤニヤ。
 
 「プラハ冗談党レポート」
プラハ冗談党レポート―法の枠内における穏健なる進歩の党の政治的・社会的歴史

プラハ冗談党レポート―法の枠内における穏健なる進歩の党の政治的・社会的歴史

 
 反戦ユーモア小説「兵士シュヴェイクの冒険」で有名な(僕は知りませんでしたが)プラハの作家ハシェクが、実際に立候補して選挙戦を繰り広げた記録。
 発禁処分となったノンフィクション、という言葉からは想像もできないあまりに馬鹿馬鹿しい内容が素敵であります。
 関係者1人1人のくだらないエピソードを延々と紹介してこき下ろす。風刺として読むべきか、バカ話として読むべきか。面白いけど、ちょっと読みづらいかな。
 
 「黄色い水着の謎」 
 桑潟幸一准教授の第2弾はやはりヤリ過ぎな感のあるお笑いミステリー。
 1作目と同様、ヤリ過ぎで笑えませんでした。ただし、推理小説をネタバレすると「キタカタケンゾーが殺しにくる」というクダリにはちょっと笑っちゃった。